sweet memory
「…出来た。奏大さんも付けられましたか?」
「あぁ」
「お揃いですね」
「あぁ」
「ふふふっ」
花菜は付けられたお揃いのストラップを見て喜んでいた。
しかし、花菜はここであることに気付いてしまった。
「どうした?」
「…奏大さん、ストラップ付けちゃって、職場の人に何か言われちゃいませんか?」
「あぁ、それなら問題ない。こっちはプライベート用だから大丈夫だ」
「携帯2台持ちなんですね」
「仕事柄必要だからな」
「なるほど」
「お前に教えたのは、プライベート用だ。…仕事用も教えておこうか?」
「んー…でも…」
「常に携帯は2台持ち歩いている。プライベート用に掛けて繋がらなければ、仕事用に掛けてくれば良い」
そう言うと、奏大は花菜に名刺を手渡し、後で登録しておくように伝えた。