sweet memory
「着いたぞ」
「運転ありがとうございました」
「先ずは今日目的の物から見に行くか」
「はい」
2人は車から降りると、当たり前のように手を繋いだ。
出掛ける、イコール手を繋ぐという図式が、どうやら先週のデートで出来たようだった。
目的地であるショップに着くと、花菜は悩み始めた。
そんな花菜の様子を、奏大は微笑みながら見ていた。
「奏大さん、何笑っているんですか?」
「…笑っていたか?」
「いえ、あまり表情は変わっていませんでしたが、口角がちょっと上がってたので、笑ってるなぁって思って…」
「…そうか…」
「あっ、また笑った」
「…悪い」
「そんな!全然悪くないですよ。奏大さんのちょっとした表情の変化が見れて嬉しいです」
「……」
奏大は花菜の言葉に照れて、手で顔を隠した。
そんな奏大の一面を、花菜はとても喜んでいた。