道なき恋
「いらしゃませ。 お飲み物からどうぞ」

と店員に言われ

「取り敢えず、中生を3つと」

と私が言った。

彼女が

「3つって? 2つじゃあないの?」

と聞いて来た。

「うん、3つだよ」

と答えた。

「お待ちどうさまです」

ビールが運ばれて来た。

そのうちの1つを彼女に渡し残りは私の前に置いた。

「何に乾杯する?」

と聞いたら、

「飲み誘ってくれた事に」

と答えた。

「じゃあ、この飲みに来れた事にカンパイ!」

「カンパイ!」

とジョッキを合わせた。

「キィ〜ン」

と音がしたかどうかは、

周りか五月蝿くて良く聞き取れなかった。

1つ目をあっと言う間に飲み干して、

2つ目を手に店員にビールのお代わりを2つ告げた。

「なんるほどね だから3つなんだね」

「そう!1杯目は、一気に飲み干すのが好きなんだ」

食べ物も頼んだ。

バターコーンや枝豆、サラダ、etc

そうしてる間に、

店員がこちらに歩いて来た。

「お席の準備が出来ましたので

お飲み物だけお持ちになって

移動をお願いします。」

と言って来た。

彼女は嬉しそうに席を立って移動を始めた。

私はその後についていて行った。

「やっぱりこっちのが落ち着くね」

と嬉しそうに言った。

私は彼女と居られればどうでも良かったが、

落ち着かないより落ち着いた方が良いに決まってる。

「ねぇねぇ なんて呼べば良いかな?」

と私が聞くと

「友達にはりっちゃんとか

璃子様とか言われてるよ」

「じゃあ私はまー君で良いかな?」

「うん、良いよ りっちゃん」

なんか凄く嬉しくなって来た。

話に夢中になり過ぎて

いつの間にか電車が無くなってしまってた。

それでも2人とも話に夢中になっていた。

時間が立つに連れ

私は彼女の事を段々と

好きになっていっているのがわかった。

「こんな人が居たんだ。

完全に理想のタイプで、

一緒に居ると落ち着くのを感じた。

気が付くと店員がやって来て、

「すいません、閉店の時間なんですが?」

と言って来た。

時間を忘れてしまって

朝方になっていたのに気付かなかった。

2人で目を合わせて、

すぐに大笑いしたのだ。

朝の4時だった…

支払いを済ませて外に出る。

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