道なき恋
歩き出して、駅前の方に向かった。

何かを気にしてる様に見えたので、

「どうしたの? 何か気になるの?」

って聞いたら、少し考えてから

「………旦那が……

この辺に車を停めてるらしんだ。」

と答えた。

「そうなんだ 。

ん?

場所って聞いてないの?」

と再度聞いたら、

「うん 。

聞いても教えてくれないんだよね。」

答えながらも回りが気になるのようだ。

車のエンジン音が聞こえると気になるのかそわそわしている

「ごめんね。

一緒に居てもつまらないでしょ?」

と聞いてきた。

「ん? そんな事ないよ。」

って言いながら

璃子の手を繋ごうと腕を伸ばした。

璃子の手に私の手が触れた。

少しビックリしてたが、

照れながらも手を握り締めてくれた。

たかが手を繋ぐだけなのに、こんなにも幸せになれる事を久しぶりに思い出させてくれた。

璃子がかなり気にしてる様なので、
裏路地から、駅前と向かう事にした。

「ありがとうね 。

気を使ってくれて」

と言って

繋いでいる手に少し力が入った。
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