道なき恋
「斎藤君、ちょっと良いかな?」

と会社の上司に呼び止められた。

「え? はい、何ですか?」

何だろう?

と疑問と不安が頭を過った。

会社の事務所に入ると

上司が先にソファーに

腰をかけようとしてたので、

私はソファーの近くまで寄って待った。

上司は、ソファーを手で指し

「どうぞ」

と言った。

「あ!はい、ありがとうございます。」

凄く嫌な予感がする。

上司がわざわざ個人的に呼び止めるなん

て絶対にろくな事が無い。

「あの〜……何か?」

用が無いのにわざわざ呼び止めるなんて

しないだろうが、

あえて聞いてみた。

「今度

配達地域の改善を

しようかと思ってるんだが?

斎藤君は、どう思うかな?」

「どう思って」

言われても

どう答えて良いのか分かるはずがない。

「全員ですか?」

と聞いてみた。

すると

「いや、一部だけだ」

と返事が帰ってきた。

誰と誰なんだ?と考えてると…

俺…?

だから呼ばれたんだろと直感した。

璃子と折角仲良くなったばっかりなのに

運が悪いな……

璃子とも逢えなくなるのか…

そんな事を考えてると、

「一応、

君の配達地域と野口君と前田君の

地域と考えてるんだが」

やっぱり!

悪い予感は当たる!
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