道なき恋
「ピピピッ…ピピピッ…ピピピッ…」

今度は私のスマホのアラームが鳴った。

「もう……行く時間?……」

5時10分である

アラームを止めながら

「うん、もう起きなくちゃね」

「……もう少し……そばにいて…」

小さな声で囁く

聞こえない振りをしながら

起き上がろうとしてる

私に勢い良く抱きついてきた。

不意をつかれたので、

そのまま布団の上に倒れ込んだ。

「もう…少しだけ…一緒に居て…」

私の胸に顔を押し付けている。

「ピピピッ…ピピピッ…」

5時25分にまたアラームが鳴ると璃子は

顔を上げてKissをしてきた。

「おはよう…大好きだよ……」

体を起こしながら

パジャマの乱れを直している。

そんな璃子を見つつ先に

ロフトを降りて行く。

仕事に行くための準備をしていると

ギシッ ギシッ ギシッと音と共に

璃子がロフトから降りてきた。

微笑みながら、

「ブサ子でしょ?」

寝癖を手ぐしで直しながら、

コーヒーを入れに行ってくれる。

手に2人分のコーヒーを持ち、

戻って来て2人の前のテーブルの上に置いてくれた。

「お寝坊さんですね」

と言いながら璃子の頬に軽くKissをして

「コーヒーをありがとう…」

服を着替えてる間に、

お昼用のおにぎりと

朝食用のサンドイッチを

一つ一つラップで包んでくれて

おにぎりとサンドイッチを

別々のビニール袋に入れて

テーブルの私が取りやすい様に

わざわざ置き直してくれる。


そんな気持ちの優しい人だ。
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