道なき恋

いろいろと璃子の事を話してくれた。

あっと言う間に、休み時間が過ぎようとする。

「あ！ もうこんな時間だ…」

慌てて仕事場に戻ろうとすると

「焦っても、しょうがないよね。

間に合わないものは、間に合わないんだから、」

と笑っていた。

「遅れたらマズイでしょ?」

渡しだけが焦っていた。

「大丈夫だよ…たまに遅れるもん。」

そう言えば、璃子が焦ってる姿を、

見た事がない。

「じゃあ、また後でね」

と言い残して別れた。

そして日曜日。

朝いつもより遅めに起きて、

いつもより遅めの朝食を作って食べた。

お昼近くに家族が

起きて来て朝食を食べたす。

午後1時ごろに、
妻と買い物に出かけた。

歩きなが『離婚』の話を始めた。

「もう…戻れないの？…

取り消す事は…出来ないの？」

なんか私が離婚を切り出したみたいな言い方だ。

「…ちょっと待って…

俺が離婚を切り出したんじゃあなくて、

自分から言い出したんだよ！

分かってるの？」

本来なら私が離婚を突き付けられた方なんだが…

「だから…あれは…言い過ぎた…と言うか…冗談…」

だから冗談でそんな事を言う人とは、
暮らせないと考えながら、
買い物を済ませていた。

「ベンチに座ろう」

公園のベンチに座ってから妻に言った。

2人の間には買い物袋が置いてある。

この何気ない事からもわかると思うが
『壁』が出来てしまってる。