道なき恋
食べ終わって

コーヒーを飲んでいたら

「楽器屋さんには、行かないの?」

少しそわそわしながら聞いて来た。

「じゃぁ、行こうか?」

と席を立って店を後にした。

何気に璃子の手を繋いだら…

璃子も繋ぎ返してくれた。

周りから見たら、

2人は仲の良い恋人にしか

見れないだろう。

「すいません。

撮影があるので

静かにお願いします。」

私と璃子の耳には入っていなかった。

手を繋いだたけで、

周りが見えなくなるほど

緊張していたので、

まったく、

TVの撮影に気が付かなかった。

駅前の楽器屋さんに入って

「懐かしいね。

むかしは良く来ていたけどね。」


10代の頃は、バンドをやっていて、

本気でプロを目指していた

時期もあった。

「演奏させて貰っても良いですか?」

と、店員に話しかけた。

「どちらがよろしいですか?」

反応が早くて親切だ。

「この、レスポールタイプのを…」

と指を刺した。

「少しお待ちください。」

と言ってギターを降ろしてくれ

アンプにコードを繋げてくれた。

「どうぞ」

と言ってギターを手渡してくれた。

「ありがとう…」

そう言って、ギターを弾き出した。

「………」

「アンティークなのってあるの?」

と聞いたら、

「下の階にありますよ」

と返って来たので、下の階に移動した。

かなりアンティークな

ギターが壁にかかっていた。

その中な1本に目が止まった。

「すいません。

そこのレスポールを弾きたいんですが?

試し弾き出来ますか?」

と尋ねると。

「良いですよ。

少しお待ちください。」

と言って壁から

ギターを降ろしてくれた。

「どうぞ」




< 53 / 82 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop