道なき恋
5月にもなると花粉症もだいぶ良くなって、苛々も無くなって来た。

そんな中、荷物の中に果樹酒瓶が良く来るようになった。瓶を納品しに行った時

「私、梅酒が大好きなんですよ。」

と言って来たのだ。

「へ〜お酒飲むんですね」

と返したら、

「はい! 飲みに行くの好きですよ。 楽しいですよね」

「飲みにとか、行くんだね」

「最近はあまり行って無いんですよ。 あゝ 飲み行きたな〜」

と言うので、冗談ぽく

「じゃあ、今度飲み会しようか?」
と聞いてみた。

どうせ

「そうですね。行けたら良いですよね。」
とか

「今時間が無いので時間が出来たら行きましょ?」

と社交辞令的な答えが返って来るんだろうなと思ってたら

「いつ?行きます?」

え?って思ってるところに

「聞いてます? いつなら大丈夫ですか?」
と微笑みながら言ってる

「あ………何時で大丈夫だよ 君の都合の良い日で構わないよ」

「なら、明日で! 明日でお願いします。」

私の頭の中は???一色になっていた。

ハッとして!

「わ、分かりました。 明日ね」

多分焦ってたのは、ばれてたと思う。

帰ろうと車に乗り込もうとした時に、

「あ!連絡先聞いてないし、私の名前は、知ってるのか?」

と思って、また彼女の元に戻った。

「連絡先教えて? あと私の名前知ってますか?」

なんてアホな質問してるんだろって思ったが…

「齋藤さんですよね もちろんしてますよ」

と微笑みながら携帯の番号を書いてくれた。

「あ、電話だと、出れ無いかも知れないので、良かったらメールアドレスも良い?」

やっぱりおじさんだ。今時、メールアドレスって言わないだろ!

「良いですよ。 アドレスって1番最初に決めたアドレスから1度も変えた事無いんですよね〜」

と言いながら紙に書いてくれた。

私の心の中は嬉しさで一杯になっていたしドキドキ感が心地よいく思えた。

何時、メールをしようか、何時、メールをしようか、思い切り悩んでいた。

中学生か!ってつ込まれそうだか…

取り敢えず彼女の休み時間にメールをしようと決めた。

「齋藤です。

分かりますか?

一応私のメールアドレスも送っておきます。
明日の飲み会を楽しみにしてます。
では、また。」

(何じゃこのメールの内容は………
今、そのメールみたらと思うと恥ずかしい。)

と、彼女にメールをした。

「わかりますよ〜 メールをありがとう そうですね。

私も明日の飲み会楽しみにしてます。

誘ってくれてありがとう。」

と返信があった。

2回目のメールをしても嫌われないかと変な心配ばっかりしていた。

会社には、まだ20代の後輩がいたので、メールの書き方や2回目のメールはしても良いのか聞いて、色々とアドバイスをして貰った。

もちろんみんなには内緒で。
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