カリスマ性ゼロな引き篭もり吸血鬼ちゃんと絶倫男子な自称お兄ちゃん(マスター)
「そんな事言わないでさぁ」

持ってきた食事の皿、そこからフォークで一口分取り分けるお兄ちゃん。

「昨日可愛い娘食べちゃってね、その子があんまりにも美味しかったから内臓の一番新鮮な所をマイシスターにも食べさせてあげたくなって」

まだボタボタと血の滴る肝臓をフォークで掬い、少女の口元に寄せる。

「はい、あーん」

「……」

口を噤んだままの少女。

血は苦手だ。

おまけにお兄ちゃんも苦手だ。

吸血鬼なのに血が苦手とはどういう事だとツッコミ入れたくもなるが、お兄ちゃんが苦手なのはよくわかる。

寧ろ同居に同情の念さえ抱く。

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