社内人気No.1のアイツに不意打ちで愛されています。
ー…
「宇浦、資料室行くならこのファイル持って行ってくれ」
「わかりました」
「あ、宇浦ちゃんついでにこれも」
「…はい」
その日から私は、氷室さんを極力避けるようにした。
話しかけられても一言で返して、目も合わせない。近くにも行かないし、近付かれたら逃げる。
ひたすらその繰り返し。
特に目は合わせちゃいけないと心に銘じる。
あの瞳を見ると、一瞬で惹かれて何も言えなくなる。拒めなくなる、から。
「美和」
「…?何?」
すると拓真は歩く私に合わせて歩きながら声をかける。