社内人気No.1のアイツに不意打ちで愛されています。
だってそうでしょ
普通、嫌いでしょ
女なら誰でもよくて、からかいながら楽しみながら、キスした相手にキスシーン見られて笑ってるような悪趣味な男。
嫌悪感と苛立ちしか込み上げない。
なのに
(…胸が、痛い)
全てを思い出す度、棘が刺さるように痛みが伝う。
「宇浦ちゃん」
「!」
そう一人資料室でファイルを整理しているとかけられた声に、ドキッと心臓が跳ねる。
驚きと動揺で、バサバサと手元のファイルが落ちた。