社内人気No.1のアイツに不意打ちで愛されています。



「驚かせちゃった?ごめんね」

「…何の用ですか」

「書類一枚渡し忘れてたものがあってさ」



ファイルを拾おうとしゃがみこむ私に、彼も手伝うようにその場にしゃがむ。



「……」

「……」



やっぱり、相変わらずのいつも通りの顔。



(…騙されない。流されない)



一瞬見つめた顔に目をそらし、最後の一冊を拾おうと手を伸ばす。

が、その手は彼の手に掴まれてしまう。



「…!?」

「……」



驚いて手を振りほどこうとするものの、強い力に動かせない。



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