社内人気No.1のアイツに不意打ちで愛されています。
3.冷たい階段
8.狡い願い
「お前、美和に手出しただろ」
「……」
ひと気のない、昼休みの休憩室。
そこでコーヒーを飲んでいた俺に、同期である友人・長瀬が真剣な顔で呟いた。
「んー?何の話?」
「とぼけるな。美和の奴様子がおかしいだろうが。お前絶対何かしたろ」
「何かって失礼な…まだチューしかしてません」
「してるじゃねーか!!」
「何言ってるのさ。手出しっていうのは俺の中では肉体関係のことを言うのであって、まだ宇浦ちゃんとは全くしてないし!」
「っ〜…」
堂々と言う俺に長瀬は何かを言いたげに、けれど我慢するように缶コーヒーをグビグビッと飲んだ。