社内人気No.1のアイツに不意打ちで愛されています。
「美和」
「わ、拓真…」
そう歩いていると、後ろから追いかけてきた拓真は早足で私に追いつく。
「ゴミ捨て、手伝う」
「え?いいよ、平気」
「意外と重いだろ。一つでいいから、持つ」
そして私の手から大きなゴミ袋を一つ奪うと、並んで歩き出した。
「ったくお前、藤原さん怒らせるって…どれだけボーッとしてたんだよ」
「あー…うん、ちょっと」
「何か考えてることでもあるのか?」
「……」
考えてることは、沢山ある。…けどそのほとんどは氷室さんのことで、拓真に彼のことを話すのも、何だか気が引ける。
そんな気持ちから、言葉を飲み込んだ。