社内人気No.1のアイツに不意打ちで愛されています。
「すみません…助けて貰っちゃって」
「平気平気。どうせすぐ治るよ」
助けて貰った今は嫌いだとか言ってる場合ではなく謝る私に、彼は笑顔で左手をひらひらとさせる。
…けど正直、驚いた。
庇って助けてくれるなんて…
(…あれ、でも)
「よくあんなタイミングであそこに居ましたね」
「丁度トイレ行っててさ、戻ろうと歩いてたら長瀬と宇浦ちゃんが見えて」
「…!ってことは、拓真の話…」
「うん。丸聞こえ」
『氷室のことなら、やめておけよ』
拓真の言葉を思い出して苦い表情になる私にも、彼はあははと笑った。