社内人気No.1のアイツに不意打ちで愛されています。
その会話から二人はどうやら本当に兄妹らしく、仲良く会話を交わしあははと笑う。
(…あんな顔、初めて見た)
いつもの妖しい笑みや、愉しそうな笑みとは違う。
心を許しているような、幸せそうな笑顔。
「わかった、それじゃあ近いうちにまた実家にも顔出すから」
「うん。お母さんにも伝えておくね」
その子…妹さんはこちらに気付き、にこりと笑って会釈をした。
(か、可愛い…)
慌てて会釈を返す私に氷室さんはじゃあ、とその場を去る。それを追いかけるように、私も歩き出した。