社内人気No.1のアイツに不意打ちで愛されています。
「いつも、格好つけて偉そうに正論ばかり並べて…『いい兄』のフリ」
フリ、?
「裏では汚いことしか出来ない手で、平気であの頭を撫でてる。…最低だよねぇ」
最低、
「…、」
そうですね、っていつもだったらそう頷いてしまうだろう。
けれど
『早希』
あの笑顔を見てしまったら
『…最低だよねぇ』
その表情を見てしまったら
「…、」
違う、
そう思わずにはいられなくて、クイッとそのスーツの袖を引っ張った。