社内人気No.1のアイツに不意打ちで愛されています。



「いつも、格好つけて偉そうに正論ばかり並べて…『いい兄』のフリ」





フリ、?





「裏では汚いことしか出来ない手で、平気であの頭を撫でてる。…最低だよねぇ」





最低、





「…、」





そうですね、っていつもだったらそう頷いてしまうだろう。

けれど





『早希』





あの笑顔を見てしまったら





『…最低だよねぇ』





その表情を見てしまったら





「…、」



違う、

そう思わずにはいられなくて、クイッとそのスーツの袖を引っ張った。


< 147 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop