社内人気No.1のアイツに不意打ちで愛されています。
ー
「……」
「…、」
大きな窓から、月明かりが差し込む。
そんな薄暗いベッドの上では、背中を向け合い横になる私と彼の姿があった。
窓の方を向く私と、室内の方を向く彼。
二人の体はベッドの端と端で、触れることなく少しの距離を保っている。
(…氷室さんの、匂い)
さすがにスーツのままでは寝られないだろうからと、貸してくれた長袖のTシャツ。
それはぶかぶかで、彼の体の大きさを示すとともにその匂いが全身を包み込む。