社内人気No.1のアイツに不意打ちで愛されています。







「……」

「…、」



大きな窓から、月明かりが差し込む。

そんな薄暗いベッドの上では、背中を向け合い横になる私と彼の姿があった。



窓の方を向く私と、室内の方を向く彼。

二人の体はベッドの端と端で、触れることなく少しの距離を保っている。



(…氷室さんの、匂い)



さすがにスーツのままでは寝られないだろうからと、貸してくれた長袖のTシャツ。

それはぶかぶかで、彼の体の大きさを示すとともにその匂いが全身を包み込む。



< 168 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop