社内人気No.1のアイツに不意打ちで愛されています。
「……」
言い切った私に、その背中は向けられたまま。
表情はわからない。けれどそっと伸ばされた手は、優しく私の手を握る。
「…相変わらず、純粋ちゃんだねぇ」
「……」
「けど、そんな君が嫌いじゃないよ」
長い指から伝う、少し冷めた体温。
どうして彼が、私にその話をしてくれたのかはわからない。
だけどこの体温を感じて思う。彼はきっとずるくて最低で、弱くて、優しい人。