社内人気No.1のアイツに不意打ちで愛されています。
11.微睡
今でも、時々夢に見るんだ
『本命に感じられないんだよね』
あの日の胸の痛み
けどどうしてか、今日の夢は不思議とあたたかさに満ちている。
「…ー、」
目を覚ますと、朝陽の差し込む自分の部屋。
(朝…うわ、部屋の中酒臭い)
よほど昨日は飲んだのだろう、一番に鼻につくのは飲んだ翌日独特の酒臭さ。
ぼんやりとした意識でごろんと寝返りを打つと、そこには同じベッドの中すやすやと眠るその顔がある。
「……」
右手はその左手を握ったまま。
そういえば昨日、泊まったんだっけ…。