社内人気No.1のアイツに不意打ちで愛されています。
2.無難と情熱
「氷室さん、今日お昼一緒に…」
「私も私も!」
「うん、じゃあ皆で食べよう」
「毎日社食なんですか?なら私明日お弁当作りましょうか?」
「本当?じゃあお願いしちゃおうかな」
「……」
氷室さんが異動してきて、二日目の昼。
まだ勤務時間中にも関わらず、今日もその姿は女性社員たちに囲まれている。
必死に自分を推す女子たちに、仕事をしながらそれをにこにこと見つめる氷室さん。
(…ていうか仕事…)
それを横目で見ながら、私はカチカチとパソコン入力をする。