社内人気No.1のアイツに不意打ちで愛されています。
(…一気に運ぶか)
そう思い段ボールに書類を乗せたまま持ち上げ、部屋を出ようとした…その時
「宇浦ちゃん、手伝うよ」
その声と共に私の手から段ボールを奪うのは、席を立ち近付いてきた氷室さん。
「えっ…いいです、大丈夫ですよ」
「でも大変でしょ?」
「けど、」
「じゃあはいっ、宇浦ちゃんはこっちの書類持って。俺は段ボール。役割分担しよ」
「……」
一度は断るものの書類をバサッと手渡す彼にあっと言う間にそのペースで、渋々私はその姿とともにオフィスを出る。