社内人気No.1のアイツに不意打ちで愛されています。
「……」
「……」
二人並んで歩く会社の廊下。
チラと見上げれば、のりのきいた白いシャツに青のネクタイ、黒のスーツ…それらを身に纏う彼の顔は私よりはるかに高い位置にある。
しっかりと段ボールを持ち上げている手は、大きく骨っぽい。
「よかったんですか?出てきちゃって」
「うん、大丈夫。それにこのサイズのダンボールじゃ持ったところで宇浦ちゃん前見えないでしょ」
「……」
そう話しながら少し歩いた先にある、小さな資料室。
ドアを開ければ棚にはずらりとファイルが並び、テーブルの上には段ボールや荷物が置かれ…資料室、というよりは荷物置き場に近い。
そこの適当なところに段ボールを置く氷室さんに続いて、私は書類を置いた。