社内人気No.1のアイツに不意打ちで愛されています。
っ…またからかわれた!!
しかも軽いセリフで!教えてあげようか、なんてバカにして!
チャラ男!軽薄男!女好き!
ただ近付いて、軽いセリフ吐かれただけ。
そう分かっていながら、耳の奥がじんじんとする。
(…声が、消えない)
不慣れすぎて、意識する
そんな自分が一番憎い。
「…結構です、かぁ」
ついたままのパソコンが、この心の色を映し出す。
「あそこまで拒まれると、染めたくなるねぇ」
画面の中の図面には、白い壁に黒いラグマット。
ガラスのテーブルに、黒の薄いカーテン。
そしてその部屋の真ん中に置かれた、赤いソファ。
思えばもうこの時点で、私は既に彼の色に染まり始めていたのかもしれない。
赤く激しい、愛の色。