社内人気No.1のアイツに不意打ちで愛されています。
「さっき氷室さんに手触られちゃった〜」
「私は髪。綺麗だねーっだって!」
(また奴の話…)
それはどうやら氷室さんの話で盛り上がっているらしく、気に入らないと思いつつもトイレに入るフリをして耳を傾けてしまう。
「軽いけど下心って感じじゃないのがいいよね〜」
「そうそう。まぁ、あれだけ顔が良ければ下心あってもいいんだけど」
トイレに入っていく私を気にもとめず、彼女たちはあははと笑う。
「さっきもファイル持ってただけで『それ片付けるの?持って行くよ』ってやってくれてさぁー…」
「……」
その言葉に思い出すのは、先程彼が持っていたファイル。