社内人気No.1のアイツに不意打ちで愛されています。
…いない、んだ。
あれ?私…少しホッとしてる?
って何で安心してるわけ!?どうでもいいし!この男に彼女がいようがいまいが!
今偶然いないってだけで、昨日まではいたかもしれないし、明日にはいるかもしれないし…とにかく軽いことには変わりないんだから!
(どうでもいい!どうでもいい!!)
そう一瞬感じてしまった安心感をかき消すように、私は目の前にあったグラスの水をぐいっと飲んだ。
「あっ!美和!お前それっ…」
「へ?」
拓真の声に言葉を返そうとした途端、口に広がる苦い味とグラリと回る視界。
そしてそのまま勢いよく、その場にひっくり返った。
「!?宇浦ちゃん!?」