社内人気No.1のアイツに不意打ちで愛されています。
子供の頃、お父さんが飲んでいたお酒を水と間違えて一気飲みしたことがある。
不味くて臭くて気持ち悪くて、散々吐いて…もう二度とお酒なんて飲まないと決めた。
以来20年、一度も飲んだことなんてなかったというのに
「うっ…おええっ…ううっ、」
まさか、この歳になってまたやらかすなんて。
「…、」
私は連れられたトイレで、一人げえげえと胃の中を吐き出していた。
(これだからお酒は嫌い…うっ、)
「宇浦ちゃん、大丈夫ー?」
「…大丈夫な人の声に聞こえますか…おえっ、」
「うん、聞こえないねぇ」
女子トイレの外からかけられた声に、私は息絶え絶えに言葉を返す。