社内人気No.1のアイツに不意打ちで愛されています。



そう藤原さんと無理、出来るの押し問答をしていると突然割り込むように会話に入ってきたのは先程まであちらにいた氷室さん。

彼は私の隣のデスクに書類を置きながら、会話に加わる。



(…話、したくないのに)



本当にいつも通りなその顔に気まずさと腹立たしさが込み上げるものの、普通を装い会話を続ける。



「聞いてくれよ氷室。次号のカタログの特集で宇浦に任せたい内容があったんだけどさ、無理って言って引き受けてくれないんだよ」

「次号の特集?『オンナの部屋』、『抱きたいオンナ』…」

「……」



氷室さんはふーん、と書類に目を通し口元に笑みを浮かべる。

その笑顔がまた怪しいと感じるのは、これまでの彼の行いのせい。



「まぁまぁ宇浦ちゃん。いきなり投げたりしないでやるだけやってみたら?」

「…、」

「逆に考えてさ、自分がどんな部屋で抱かれたいか想像してごらん」

「……」



どんな部屋で、抱かれたいか…?



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