社内人気No.1のアイツに不意打ちで愛されています。



ーザアアア…



傘の外は降り続く雨。

地面を叩くその音に囲まれながら、二人同じペースで駅まで続く細道を歩く。



「…、」



チラ、と見上げればそこには頭一つ近く高い位置にある整った顔。

いつもと変わらない表情が、また腹立たしい。





『キスしてたの』





まるでこの前のことなんて、なかったかのように。



「何?人の顔まじまじと見て」

「えっ!」



さり気なく見ていたつもりがそれは相手にはバレバレだったらしく、彼はこちらへ視線を向けることなく問う。


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