君がいればこんなにも世界が美しい

「おばあちゃんはねぇ、歯が抜けてしまってねぇ…歳とったよ〜」
「うん…」
真山も寂しそう。
すごい胸が痛かった。

「もう7時になるよ。暗くなるから帰りなさい。」
「うん。また来るし。」
「絶対来るから」
「待ってるよ〜クッキーも焼いとこかなあ」
「楽しみにしてる」
「じゃあね。バイバイ」
「バイバイ」


帰り道、10分ぐらい無言やった。
「チヨ…」
「ん〜?」
昔の呼び方で言われてびっくりしたけど、嫌じゃなかった。
「部活無い日はさあ、としえのとこ行くようにせえへん?」
「うん。」
「「……」」



すっかり暗くなった道に、見えるのは切れかけて点滅してる電灯一つだけ
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