君がいればこんなにも世界が美しい
病室に入ると、一番窓際のベッドに桐原さんが見えた。

「桐原さん…」
「来てくれたの?」
「としえは大丈夫なんですか?」
「うん…何かね、としえさんちょっと無理してたみたい。でもお医者さんは大したことないって言ってはったし」
「大したことない…」
一気に力が抜けた。
「よかったあ。」
コウちゃんも疲れたような顔してる。


後から親が来て桐原さんと喋りだした。
私らはベッドの横に座って待ってた。
そしたらとしえが薄く目を開けて、
「チヨちゃん…コウちゃん…」
「としえ?大丈夫か?」
「大丈夫よ〜…心配かけてごめんね〜」
「ほんまやで。心配かけて〜」
「ごめんね〜…」
「えっ?ちょっと、としえ?」
何でかとしえが泣き出した。
「ごめんね〜…」
「冗談やん!謝らんといてよ!」
「ごめんね〜…ごめんね〜…」
「……」


繰り返し謝るとしえを見ていると、涙が溢れてきた
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