君がいればこんなにも世界が美しい

「理由はね…あの人と同じ場所で死にたいと思ってね。」

「あの人って旦那さん?」
「そう。」


としえの旦那さんは会ったことがなかった。亡くなったのは2年ほど前って聞いたから昔会っててもおかしくないけど、仕事があったみたい。


「そっか…」
「でも俺らの結婚式出るんやろ?それまでだけでも入ったら?」
「そうや!そうしぃな!」
「うん…じゃあそうしよかな。」
「ほんまに?ほなら私手続きの準備とか始めるわね。」


桐原さんがいった後、
としえが淡々と言った。
「チヨちゃん、コウちゃん。施設にも会いに来てくれる?」
「当たり前やん!」
「行くに決まってるやろ。」
「そう…ありがとうね。」


帰り道、点滅していた電灯は点くまでの間隔が長くなっていて今にも切れそうやった。
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