君がいればこんなにも世界が美しい
誓います
一週間後。施設が決まって引っ越し(?)が始まった。


私達は手伝いに来ている


「よし!じゃあ最後のお茶にしようか!」
「はーい」

「最後やから私にやらせてちょうだい」
一瞬ためらったものの桐原さんは優しく
「気をつけてくださいね」
と言って変わった


としえの入れるお茶は
正直桐原さんのより
はるかにおいしい。


「おいしいなぁ〜」
「ほんま!私のと別物やねぇ」
「桐原さんのもおいしいですよ」
コウちゃんがフォローする。
「ふふふ、ありがとう。」

「そうそう!クッキーを出さないと」
「俺がやる。どこ?」
「向こうの棚にあるわ。ありがとうコウちゃん」
「オッケー♪」

コウちゃんが行くと
「人に迷惑かけてばっかりやねぇ…」

としえがそうつぶやいたのを聞き逃さんかった。

「としえ、としえはあたしらにいっぱいしてくれたんやから次はあたしらがとしえのために何かする番やろ。そんなこと気にしんとき。」

「チヨちゃん。ありがとう」

「ふふふ」


クッキーをやけに
ゆっくり時間をかけて食べる。
みんな何かしら
思い入れのある家やもんな。
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