君がいればこんなにも世界が美しい

としえの家に着くと、
やっぱり電気が点いていた

でもいるとわかった瞬間怖くもなる

「行くぞ」
「うん」


「としえ〜!」
「は〜い」

としえが昔みたいに出てきた。
「よく来たねぇささっ上がって上がって」
「としえ…」
「シッ」
コウちゃんが私を黙らす。
「としえ今認知症らしいねん。付き合ったろ。そやないと混乱してまうから。」
「わかった。」

「クッキーを持ってこよかねぇ」
ありもしないクッキーを探すとしえ。
やっぱり施設に入んのが重荷やったんや。完全にボケてしまっている
「もういいで。もういい…」
涙が止められへん。
「チヨちゃん?どうかしたの?」
「もういいねん…」
「ごめんなとしえ」
コウちゃんも泣いてる
「どうしたん2人とも?」



としえは手を休めへん
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