君がいればこんなにも世界が美しい
そしたらおばさんが声をかけてくれて、
「お嬢ちゃん達どうしたの?」
「迷子になったんです」
ヘトヘトの真山がしっかりした口調で言った
「住所とか電話番号とかわかる?」
「えっ…と、きょーとし..」
と真山がたどたどしく住所を言う。私は自分の住所なんてまだ覚えられてなかった(汗;
「○○区?反対側やないの!よう2人で来れたねえ。連れて行ってあげるわな。おばあちゃんと一緒に行こ」
やった〜!助かったぁ!と素直に思った。でも
「ありがとうございます。でもいいです。どっちに行けばいいかだけ教えて下さい」
て真山が。えっ?て思ってたらやっぱり親切なおばさんも
「何でや?2人やったら危ないやろう?おばあちゃんが一緒に行ったげるから。」
〔当時私から見たその人は"おばさん"やった。でもかたくなに"おばあちゃん"て言うてはった。今思うと不思議〕
「知らん人について行ったらアカンて言われたもん」
はっとして私は急に恥ずかしくなった。のを覚えてる。私の親ももちろんそう言ってたから。
「そうやな。ごめんごめん、おばあちゃんが悪かった。ほな交番までだけ連れて行ってあげるからそれやったらどうや?ほらあそこに見えてるやろう、一緒に行ってこの子ら連れて帰ったげて下さいて言うたげるから。な?」
「…うん」
真山が承諾したから交番まで来てもらうことになった。
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