拾われ化け猫
いつからだろう。


トモくんの瞳から、すべてを明るく照らし出すような光が消えかかっていた。


トモくんは相変わらず僕と一緒に楽しそうに遊んでいたけれど、ふいに、思いつめたような顔をするようになった。


僕は心配だったけど、何を言っていいのか分からなかった。


ある日の朝、トモくんは玄関で朝ごはんを吐いた。


お母さんが優しくトモくんの背中をさする。


トモくんは苦しそうに荒い息をしながら、ぼろぼろと涙を零した。


その日、トモくんは学校を休んだ。
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