拾われ化け猫
トモくんが学校へ行かなくなって、数年がたった。
トモくんは背も伸びて、ずっと大人っぽくなった。
学校以外には普通に出かけるようになって、僕と過ごす時間が少し減った。
ある日、トモくんのもとに、昔よく来ていた友達の一人がやって来た。
その人を、トモくんは優しい笑顔で出迎えたけど、居間のソファに向かい合って座った後、僕を抱き上げた腕は震えていた。
「トモ、ごめん」
その人はそう言って頭を下げた。
トモくんは静かな目で、その人を見つめた。
「もう、いいんだ」
トモくんが穏やかな口調で言った。
「許したわけじゃないんだよ」
その人が帰った後に、トモくんは僕に微笑んで言った。
「ただ、自分のために許すふりをしただけ」
その時のトモくんは、見たことがないような、強くて真っ直ぐな目をしていた。
トモくんは背も伸びて、ずっと大人っぽくなった。
学校以外には普通に出かけるようになって、僕と過ごす時間が少し減った。
ある日、トモくんのもとに、昔よく来ていた友達の一人がやって来た。
その人を、トモくんは優しい笑顔で出迎えたけど、居間のソファに向かい合って座った後、僕を抱き上げた腕は震えていた。
「トモ、ごめん」
その人はそう言って頭を下げた。
トモくんは静かな目で、その人を見つめた。
「もう、いいんだ」
トモくんが穏やかな口調で言った。
「許したわけじゃないんだよ」
その人が帰った後に、トモくんは僕に微笑んで言った。
「ただ、自分のために許すふりをしただけ」
その時のトモくんは、見たことがないような、強くて真っ直ぐな目をしていた。