拾われ化け猫
僕はトモくんの部屋の鏡の前に立っていた。


鏡にうつるのは、数年前と、はじめて人間になったときと変わらない幼い少年。


トモくんが大きくなっても、僕は大きくなれなかった。


最近、とても眠たい。


家の中を歩いていたり、トモくんと遊んでいたりしても、いつのまにか寝てしまっている。


「レイルにもやっと成長期がきたのかな」


トモくんはそう言って笑った。


僕は笑い返してうなづいた。


「そうだね、そうかもしれない」


トモくん、僕も大きくなりたかったよ


トモくんと一緒に大きくなって、中学校にも行きたかったな


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