拾われ化け猫
レイル
〈トモ〉
今年の春、僕は中学生になる。
いじめが原因で学校に行けなくなった僕の再出発の場。
怖いけれど、確かな希望が胸に溢れている。
でも、あの日から、僕の世界は色を変えてしまった。
きっと、もう二度と、元の色彩を取り戻すことはないのだろう。
『トモくん、大好き』
そう言ってぎこちなく笑ってみせた綺麗な瞳。
あの笑顔が僕に向けられることは、もう二度とない。
わかっているはずなのに、部屋の片隅に小さな銀色の猫を探している自分がいる。
朝目が覚めると、毛布の中に温かな感触をもとめてしまう。
今年の春、僕は中学生になる。
いじめが原因で学校に行けなくなった僕の再出発の場。
怖いけれど、確かな希望が胸に溢れている。
でも、あの日から、僕の世界は色を変えてしまった。
きっと、もう二度と、元の色彩を取り戻すことはないのだろう。
『トモくん、大好き』
そう言ってぎこちなく笑ってみせた綺麗な瞳。
あの笑顔が僕に向けられることは、もう二度とない。
わかっているはずなのに、部屋の片隅に小さな銀色の猫を探している自分がいる。
朝目が覚めると、毛布の中に温かな感触をもとめてしまう。