そのキスの代償は…(Berry’s版)【完】
そして、静かに給湯室に押し入る。

他の奴のコーヒーを用意している
彼女の後ろ手を掴み、胸に引き寄せる。

俺の腕の中にいる彼女を感じながら、
やっぱりこのまま外に出したくない。
この空気は…危険すぎる。

「課長…」

彼女が胸の中から見上げる視線に、身体が反応しそうになる。

「なんて目で見るんだ?月曜の朝からそんなに煽って
お前、俺をどうしたいんだ?」

このままここで、やってしまいたいが、そんなわけにはいかない。
ここは誰でも入ってこれる。

「俺だって、同じ気持ちだ」

俺は、できないストレスを彼女に向けるしかなかった。
強く抱きしめ、うなじに唇を寄せる。

「会社であんな目をするな。あんな色気を出すな。
お前は俺だけの物だろう?」

その色気すら食い尽くしたい。俺はそんな自分の溺れっぷりに
自嘲気味に微笑むしかなくなった。


彼女のうなじで、唇が彷徨う。
そうすることしか、できない自分をあざ笑うかのように
彼女の色気を…喰らうだけ喰らい尽くした。

今はそれで満足するしかない。
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