そのキスの代償は…(Berry’s版)【完】
フォーマルなドレスも扱っている
ブランドショップだった。



食事の前に、どうして服?
訳が分からない私にあの人はいつもの右眉を上げて
優しく微笑んだ。

その笑顔が、いつもと違うことに違和感を感じる…

「せっかくいいホテルに泊まったんだから
ドレスアップしてみないか?」

あの人はそう言いながら、あたりに並んでいるドレスを
見ている。

「どうして?出張で来ているだけなのに…」

困惑する私にあの人は微笑む。

「お前は本当に生真面目だな。
時にはこういう気分を味わってもばちは当たらないぞ」

そう言いながら、ドレスを見るあの人のそばに、
店員が近づいてきた。

「お客様。お連れ様にどのようなものを…」

「これから食事に行くので、ドレスを…」

店員はテキパキとあの人の希望を聞き、
私を着せ替え人形のように扱う。

ドレスを試着してあの人の前に立つ。

こんな経験のない私は、どうしていいのかわからなくなる。

ただ、頬を染めて店員の言いなりになった。
そして、試着室を出るたびに
満面の笑みを向けるあの人に…勘違いしそうになる。

でも、私はあなたの…
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