そのキスの代償は…(Berry’s版)【完】
「あいつはいいって言ったんだ。
だからそのままでいいじゃないか?
紙にサインするだけで何も変わらない。
お金はあっても困らないだろ?
お金を受け取りながらでいい。
もう少しだけでいい、俺に夢を見させてくれ」


そのまま?
変わらない?
これが夢?

あの人の言い分は滅茶苦茶だ。

あの人の言うとおり、セフレにはなった。

でも、今まではお互いが欲しいものを与え合う対等な関係。
お金ももらってない。

私はあの人に対して
特別の感情を抱いているからこそ、その関係を受け入れた。

でも、私にはこれが限界。


ばれた今、別れずに、あの人の奥様の影を感じながら
あの人に抱かれるのか?
だから、別れさせず自分のテリトリに引きずり込むのか?

私のプライドを粉々にするために。

そして、あの人はそれを当たり前のように受け入れている。

私が、金の為に色欲の亡者に成り下がっても平気なのか?

それを、奥様に誓えというのか?
私の、人としての感情を全て…壊したいのか?
そこまでして会い続けないといけないのか?

この夫婦の考えていることは、
この夫婦のやっていることが、
この夫婦の関係そのものが、





私には理解できなかった。
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