そのキスの代償は…(Berry’s版)【完】
引き換えた物
相良(さがら)ひな 34歳。
あの日、私は…あの人に抱かれた。
でも、それは愛情や感情の全く伴わない、
ただお互いを欲望の吐け口にしただけのこと。
私の中では、一度結ばれたらそれでいいと
意識を手放すその瞬間までは思っていた。
全てがどうでもよくなり、快感に身をゆだねて…
あの人ですべてになった。
その快感は…どんな毒であっても甘かった。
それまで私が願っていたことは、
ただ思い続けていたあの人に抱かれることだったから…
しかし、一度触れてしまうと触れられてしまうと、
次を期待してしまう自分がいる。
あの人との夜は、想像をはるかに超えて…素敵だった。
女としての悦びを改めてあの人に刻み込まれ
快感を知った私にとって次がないことは…拷問に等しい。
躰が…燻る。またあの日までのように修道女のような
そんな虚しい生活ができるのか?
清貧を貫いて、娘たちのためだけに生きていけるのか?
日常の生活で視界に入るあの人の姿。
快楽をくれた躰。すれ違うたび甘く感じるフレグランスの香り。
…そんなの無理だ。
あの快感が欲しい。
あの人の香りが鼻孔をくすぐる度に感じてしまう。
あの快感をくれる…あの人が欲しくなる。
あの日、私は…あの人に抱かれた。
でも、それは愛情や感情の全く伴わない、
ただお互いを欲望の吐け口にしただけのこと。
私の中では、一度結ばれたらそれでいいと
意識を手放すその瞬間までは思っていた。
全てがどうでもよくなり、快感に身をゆだねて…
あの人ですべてになった。
その快感は…どんな毒であっても甘かった。
それまで私が願っていたことは、
ただ思い続けていたあの人に抱かれることだったから…
しかし、一度触れてしまうと触れられてしまうと、
次を期待してしまう自分がいる。
あの人との夜は、想像をはるかに超えて…素敵だった。
女としての悦びを改めてあの人に刻み込まれ
快感を知った私にとって次がないことは…拷問に等しい。
躰が…燻る。またあの日までのように修道女のような
そんな虚しい生活ができるのか?
清貧を貫いて、娘たちのためだけに生きていけるのか?
日常の生活で視界に入るあの人の姿。
快楽をくれた躰。すれ違うたび甘く感じるフレグランスの香り。
…そんなの無理だ。
あの快感が欲しい。
あの人の香りが鼻孔をくすぐる度に感じてしまう。
あの快感をくれる…あの人が欲しくなる。