そのキスの代償は…(Berry’s版)【完】
そして、私は…再度アクションを起こす。


あの日の次にあった飲み会の前の日、会社の前で待ち伏せた。


真っ暗な駐車場までの道のり。

私はあの人の後を追い、やっとのことで追いつく。


「アドレス教えてください」


唐突にそう声をかけた。


あの人の目がまた見開く。


「お前…」


「また会いたいんです」


俯いて蚊の鳴くような声で言う私を

あの人はあり得ないという顔をしてそれから…

自分の車に引きずり込んだ。


「お前わかっているのか?本当に?」


「わかってます。セフレって言うんでしょ。こういうの」


彼は一瞬切ない顔になったが、右の眉を上げ、にやりと微笑んだ。


しばらくして、黙ったままあの人は携帯を取り出す。












そして、あの夜限りと思っていた関係。


その後、毎月会社の飲み会の日、身体を重ねる時間を過ごす。


そんな事になってから…もう1年が過ぎた。


あの人は、この地にきて4年になる。

3年を超えるといつ移動になるかわからない。


突然転勤の辞令が来て、終わるのではないかと

怯えながら暮らしている。


かといって彼との関係を断ち切れるわけもなく…


感情は伴わない。でもおそらく躰の相性は…いいはず。
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