そのキスの代償は…(Berry’s版)【完】
番外編
1「泥棒ネコ」
私はその日、年度が明け初めての給料日を迎えていた。
「相良君」
課長から呼ばれて私はデスクに向かった。
16時45分。あと15分もすれば定時。
他の社員はこれから仕事が続くが、私は家庭の事情で17時には
退勤する労働条件になっていた。
「課長」
私がデスクの前にくるといつものように封筒がデスクに
置かれているのが見える。
「今月もお疲れ様」
そう言ってその封筒を私に差し出す。
「だいぶ体調は落ち着いたみたいだな。
休み前まで、無理をせずに頑張ってくれたまえ」
「はい。ありがとうございます」
私は封筒を受け取った。
もちろん給料は銀行振り込みなので、退勤前こんなふうに
課長に呼ばれ明細の入った封筒を受け取る。
それから自分のデスクに戻り、いったんデスクの上に
その封筒を置いて周りを片付けを始めた。
17時を知らせるチャイムが鳴った。
デスクの上の封筒を持ち上げ、そこに書かれた自分の新しい名前を
人差し指ですっとなぞってから鞄に丁寧に押し込む。
そのかばんを手にすると
「お先に失礼します」
私は同僚にいつものように挨拶をして今日も職場を後にした。
「相良君」
課長から呼ばれて私はデスクに向かった。
16時45分。あと15分もすれば定時。
他の社員はこれから仕事が続くが、私は家庭の事情で17時には
退勤する労働条件になっていた。
「課長」
私がデスクの前にくるといつものように封筒がデスクに
置かれているのが見える。
「今月もお疲れ様」
そう言ってその封筒を私に差し出す。
「だいぶ体調は落ち着いたみたいだな。
休み前まで、無理をせずに頑張ってくれたまえ」
「はい。ありがとうございます」
私は封筒を受け取った。
もちろん給料は銀行振り込みなので、退勤前こんなふうに
課長に呼ばれ明細の入った封筒を受け取る。
それから自分のデスクに戻り、いったんデスクの上に
その封筒を置いて周りを片付けを始めた。
17時を知らせるチャイムが鳴った。
デスクの上の封筒を持ち上げ、そこに書かれた自分の新しい名前を
人差し指ですっとなぞってから鞄に丁寧に押し込む。
そのかばんを手にすると
「お先に失礼します」
私は同僚にいつものように挨拶をして今日も職場を後にした。