そのキスの代償は…(Berry’s版)【完】
でも…最初出会った時には本当にびっくりした。


世の中には3人同じ顔の人間がいると聞いたことはあった。


でも今までそんな偶然にお目にかかったことはもちろんない。



俺の気持ちが揺れた。心が久々に…ざわめいた。

転勤した先にいた彼女は物静かで目立たない地味な女。

それだけならとるにたらないことだったのに…

職場にいる珍しい異性の同僚、部下。ただそれだけのことだから…


しかし、俺の心をかきむしった本当の理由はその地味な女、

相良ひなが、俺にとっては取るに足らない

ただのオンナではなかったから…











切ない空気を纏うカノジョに容姿がそっくりな…女だったからだ。


よりによってカノジョにそっくりの人間に

毎日行く職場で出会ってしまうなんて…



あの心をかきむしるような…感情が蘇ってきた。

でも彼女は関係ない。カノジョではないのだから…

それなのに、そんな単純な事が割り切れない。

それからの俺の日常は日常ではなくなってしまった。
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