Summer again with
あと、今日をいれて三日しかない。
ナツに会えるのは、もう、あと。
「…ほんとに、三日しかないんだよ…」
言葉にすると、その事実を受け入れなきゃいけない気がした。
耐えられなくなって、私はリビングを出て二階へ駆け上がる。
おじいちゃんちにいるときだけ、私が使っている部屋。
扇風機しかないけど、風通しが良くて涼しい。
私は窓の淵に手を置くと、遠くに見える海岸に目を向けた。
この窓は、海岸近くを広く見渡せる。
小さいけど、海の家も見えた。
…ねえ、ナツ。
もう、三年が経つんだよ。
あの日から、もう三年。
中学二年生だった私は、高校二年生になって。
高校生二年生だったナツは、大学二年生になった。
この小さな町で、いろんなことしたね。
私は全部、ちゃんと覚えてるよ。
海がよく似合う君は、いつもとても眩しかった。
…目に、焼き付いているよ。
夏が大切な季節になった、あの夏の日から。
*
ナツに出会ったのは、三年前この町に来て、最初の日だった。
海にいく、と言い出した家族に連れて行かれて、私は海に来た。
のんびりと海水浴を楽しむ家族のなかで、私はひとり砂浜に敷いたシートの上。