Summer again with


あと、今日をいれて三日しかない。

ナツに会えるのは、もう、あと。


「…ほんとに、三日しかないんだよ…」


言葉にすると、その事実を受け入れなきゃいけない気がした。

耐えられなくなって、私はリビングを出て二階へ駆け上がる。


おじいちゃんちにいるときだけ、私が使っている部屋。

扇風機しかないけど、風通しが良くて涼しい。

私は窓の淵に手を置くと、遠くに見える海岸に目を向けた。

この窓は、海岸近くを広く見渡せる。

小さいけど、海の家も見えた。



…ねえ、ナツ。

もう、三年が経つんだよ。

あの日から、もう三年。

中学二年生だった私は、高校二年生になって。

高校生二年生だったナツは、大学二年生になった。

この小さな町で、いろんなことしたね。

私は全部、ちゃんと覚えてるよ。

海がよく似合う君は、いつもとても眩しかった。


…目に、焼き付いているよ。


夏が大切な季節になった、あの夏の日から。






ナツに出会ったのは、三年前この町に来て、最初の日だった。


海にいく、と言い出した家族に連れて行かれて、私は海に来た。

のんびりと海水浴を楽しむ家族のなかで、私はひとり砂浜に敷いたシートの上。

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