Summer again with


水着の上にパーカーをきて、日焼け止めを塗りたくって。

焼けたくない私は、パラソルの下、ぼうっと座るだけだった。


…暑い。

パラソルの下でも、容赦ない夏の温度。

海の蒸気も合間って、蒸せるような熱さ。

今すぐ水のなかへ飛び込みたくなる衝動はわからなくもないけれど。


…だって、海。

たくさんのひとが海で楽しそうに泳いでいるけど、私は乗り気になれない。

家族が呼んでくるけれど、私は首を横に振るだけだった。


でもしばらくして退屈になってきた私は、海岸の奥の岩がたくさん重なっている場所へと、足を向けた。

岩のひとつに座ると、冷たくて気持ちがいい。


しばらくここにいようかな、と思っていたら。



『お、ここでなにしてんのー?』


…茶髪に、整った顔立ち。

それなりに引き締った体をした水着姿の青年が、岩と岩の間のところに立っていた。

ばっちり目があっているから、たぶん私に向けて言ったんだろーけど。


…ちゃらそう。

まさにそのひとが、ナツだったわけなんだけど。

彼をはじめて見たとき、私の印象はそんなものだった。

かっこいいけど、チャラい。

てゆうか、なにこのひと。

いきなり声かけてきて、なにしてんのって、なに?


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