悪魔の彼
ガタガタ……とん……
馬車に揺られて私は思わずうとうとする。
私達二人が乗る馬車の後ろには大型の二十人は乗れそうな馬車が二大、続いていた。
陽気な雰囲気に包まれて、楽しく進む道程。
今まであった沢山の
つらいこと
別れ
涙……
全て遠い昔のことに、なかったようにさえ感じる。
「シルヴィア、よっていないかい?もうすぐ休憩をとるからね。」
イアは優しく私の頭を撫でる。
私は目を細めて彼をみた。
「休憩ってどこで?」
「あるんだよ。休憩所が。」
温かいところがいいな……
と思いながら私は意識の暗いところへおちていった……。
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